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トランプが思うままに行動できる理由
―― 形骸化した抑制と均衡

ジェームズ・ゴールドガイアー アメリカン大学教授(国際関係論)
エリザベス・N・サンダース ジョージタウン大学外交大学院准教授

The Unconstrained Presidency
Checks and Balances Eroded Long Before Trump

James Goldgeier アメリカン大学教授(国際関係論)、外交問題評議会客員シニアフェロー
Elizabeth N. Saunders ジョージタウン大学外交大学院准教授、同安全保障研究プログラムの中核メンバー。

2018年11月号掲載論文

なぜドナルド・トランプ米大統領は好き勝手に振る舞えるのか。実際には、これは、トランプ個人に留まる問題ではなく、アメリカ政治を支えてきた抑制と均衡のシステムが形骸化していることで引き起こされている。米議会の外交専門家が少なくなり、国務省は虐げられ、国家安全保障会議が肥大化している。同盟国の立場も公然と無視されるようになった。トランプは、かねて進行してきたこのシステムの劣化を前に、暴走しているに過ぎない。大統領権限の拡大を阻止したいのなら、トランプが引き起こしたダメージだけでなく、そのダメージが明らかにしたより根深い問題、つまり、大統領権限の抑制を担うべき組織が、その意欲と能力の双方を着実に失っているという現実に対処していかなければならない。

  • 大統領の勝手な行動へ
  • 議会の権限はなぜ失墜したか
  • 傍流へ追いやられた官僚
  • 低下した同盟国の役割
  • 抑制と均衡の未来

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